バロック・ダンス懺悔録

聖和笙のバロック・ダンスに纏わるブログです!                            Les Confessions pur la belle danse.

2014年09月

ロジェ・バディム監督の映画に『血とバラ』があります。
ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュの小説『カーミラ』を元にした、
女性吸血鬼映画として有名で、三島由紀夫さんが好きだった
映画としても知られ、澁澤龍彦さんと同名の雑誌を出版されております。

原作はイタリアが舞台ですが、フランス趣味に溢れています。
伯爵の屋敷でフィアンセのために仮装パーティが開かれるのですが
出演者、衣装、屋敷、パーティの様子、チェンバロで奏でられる音楽、
どれをとっても舞台的な美しさに溢れていて何度観ても見飽きません。
仮装した人々が踊る踊りはコントルダンス、衣装はロココスタイルです。

映画は、モノクロですが色彩が見える錯覚に陥るほどの華やかさがあります。
また、後年のポーのオムニバス映画に同様の舞台設定の映画がありそちらは
カラーで鑑賞することができます。

アンナマグダレーナの日記、めぐり合う朝、王は踊る、マリー・アントワネット等の
伝記的映画を別とすれば、最もバロックの祝宴の雰囲気を現した映画だと思います。

ラジオから女性の声とは異なる高域の歌声が聞こえてきた。
グレゴリオ聖歌を初めて聴いた時のことです。
それからカウンター・テナーに夢中になって、近所のレコード屋さんで
入手出来るレコードは限られてたので音楽雑誌を毎月購入して、
カウンター・テナーの含まれるレコードを注文して購入しました。
ブリテンさんの作品で歌われるピアーズさん、ボウマンさん。
イギリスのバラッドを歌われるデラーさん。
このイギリスのお三方の作品は、今でもよく聞いています。
そして、ヴィスさんのクレマン・ジャヌカン・アンサンブル、
ヤーコプスさんのコンチェルト・ボカーレ等はラジオでエアチェック。
音源化されていないものが多く私の宝物です。
その後、カウンターテナーブームが幾度か訪れ、八ッセのクレオフィデ位から
多くの方々が宗教曲やバロック・オペラを歌われるという夢のような時代になりました。

私が初めて共演させていただいたカウンターテナーの方は、ソプラノの山内房子さんのだんな様。
髪の毛は長髪にパーマを掛けられて日常からバロック時代の貴族のようなお方でした。

最近では、演出が過剰なヴィンチのアルタセルセがお気に入りです。

私は以前、古典舞踏研究会の本間杉江先生の大崎のバレエ・スタジオをお借りして、
生徒さんを募ってバロック・ダンス教室を開いていた事があります。
バー・レッスンを行って、コート・ダンスを1曲づつ踊っていくカリキュラムでした。
バレエと古典舞踏で習ったことを、そのまま練習する教室でした。

教室を終了した後、ジャズ・ダンスやコンテンポラリー・ダンスを通じて様々な
身体メソードを学び、私にとって踊ることの意味はどんどん変わっていきました。
その後、創作で作品を作るようになった時には、バレエ、ジャズ、コンテンポラリーに
加えて、バロック・ダンスの考え方は知っていることは私の大きな武器となりました。
その後、アルゼンチン・タンゴを学び、これが踊りなんだなというものを発見しました。

踊りは、基本を学ぶことは出来ますが、踊り自体は自分で発見するしかありません。

昨日、久しぶりにバロック・ダンスを自分以外の方に教えるという体験をしました。
フロアーで基礎を行って、踊りの基本をお伝えして、コート・ダンスを踊りました。
その時、アームについてもご説明した後の実演で少し気になる点がありました。
そして一日たった今日、私にアームスの使い方できっとこういう意味なんだな
という新たな発見がありました。教えることからも、学ぶことが出来るのですね。

これから、私の思うバロック・ダンスを少しずつ、バロック・ダンスを学びたいと
おっしゃる方々にお伝えして行こうと思います。

バロック・ダンスをバロック時代の衣装で踊ると、とても華やかです。

オペラやバレエが昨今のように脚本の設定をドラスティックに変えて
演出される以前、衣装は時代公証を踏まえた伝統的なものでした。
それは本で読む架空の御伽噺を、現実として目の当たりに出来る
わくわくする瞬間でした。オペラで、演出家の時代と言う言葉を耳に
するようになってから伝統的な衣装は時代遅れの産物となりました。
それでも、BBCでは、ロイヤルシェイクスピアカンパニーの
シェイクスピアやクラシックの作曲家のドキュメンタリー作品が作られて、
ケンラッセルさん、デレクジャーマンさん、リンゼイケンプさんといった作家が
製作に携わっていました。その作品を見るとどれも衣装が美しい物
ばかりでした。作っていたのはサンディ・パウエルさんです。
リンゼイケンプさんの初来日の前年、高田馬場の小スペースで
関係者中心にプレ・イヴェントがあって、サンディさんもいらっしゃって
少しバロック衣装のお話をしました。近年のご活躍は言うまでも無く、
時代衣装の分野では他に類を見ない作品を製作されています。

書籍では、Patterns of Fashion という4冊のルネッサンス衣装の型紙集に
モノクロ、カラー真や寸法まで綺麗に掲載されて、参考資料としています。
また、100年ほど前のヨーロッパの衣装やアクセサリで良いものを見つけると
購入しています。ネット上に時代衣装の型紙が公開されていると最近になって
伺ったので参照してみようと思います。

古典舞踏を踊る原資となるのは舞踏譜です。
バロック・ダンスの舞踏譜は各国の図書館や個人宅に所蔵されて、
出版年が判明している1700年から1784年の物と、
出版年が不明のものが残されています。
近年では、南アメリカの図書館からも発見されているらしいです。

2冊の本があります。Little and Marsh 著のLa Danse Nobleと、
 Lancelot 著のLa Belle Dance。
この2冊には、舞踏譜毎に収録されたダンスが、誰が振付けて、
誰が踊って、誰が作曲した何という曲のどこに収録されているかが
記載されています。

どちらかの本があると、舞踏譜とマニュスクリプを容易に結び付ける
ことが出来ます。そしてどちらもとても美しい本になっていますので、
機会がありましたが入手することをお勧めします。

今年の8月のよこはま古楽まつりで、私の主宰するテアトル・ドゥ・ベルサイユとして、
市川智津子さんと、ラ・マリエ、アポロンのアントレ、アルミードのパッサカイユ、
ガラテのシャコンヌと4曲を舞いました。
いきなりバロック・ダンスの中でも難易度の高い3曲を踊り、大変勉強になりました。

この公演で、多くの方々から反響がありまして、昨日に日本テレビのヒルナンデスに
取り上げられた、バロック・ダンス愛好会様ともご縁が出来ました。

よこはま古楽まつりは、第1回からカプリオルの一員として全回、参加しています。 
ピープス卿、踊る 、愚者の王国ジゴーニュおばさん、ヴァロア・タペストリー 、
求む!船乗り、ジョルジュ・サンド 笛師の群れ 、ノエル、ノエル、鞭打ち爺さんの6回です。
ルネッサンス・ダンスが殆どで、バロック・ダンスで踊った曲は、
フォリアとヌーヴェルガリアルドとマテロットです。
踊ってみると、バロック・ダンスに昔とは違った面白さを見つけました。
時を経て、私の中でバロック・ダンスが蛹から蝶うのように変容していたのです。

それで、バロック・ダンスを踊る集団を作ってみました。
それがテアトル・ドゥ・ベルサイユです。

古典舞踏研究会の舞踏会でルネサンス・ダンスを踊りました。
その際、新倉好子さんからお声掛けを頂きました。
歌の槙原史子さん、ヴィオラダガンバ渡辺マリさん、ヴァージナル新倉好子さん、
ダンスは武田牧子さんと私です。

練習は、新倉先生の自宅で行いました。
素敵な西洋館でダイニングと一緒のリヴィングにチェンバロ、ヴァージナル、
ソファー、ダイニングテーブル、奥にキッチンとなっていて、練習の後、
美味しいイタリアンを頂きました。

曲は、スパニョレッタ、パッサメッツオ、ソ・ベン・ミ・カ、アマリリ等。
新倉さんのお衣装を借りて踊りました。

槙原史子さんのお歌が美しく今も耳に残っています。

新倉さんとご一緒させていただいた最後の公演、思い出深い公演です。

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